FXをやる上で知っておくべき知識はいろいろありますが、その中の1つに「経済指標」というものがあります。
経済指標と聞くと、
なんだか難しそう
と感じる方もいるかもしれませんが、経済指標に関して全て知る必要はなく、最低限のポイントを押さえておけば大丈夫です。
今回はFXの経済指標について、押さえるべきポイントに絞って解説していきます。
この記事を読めば、
- 経済指標とは何なのか
- なぜ経済指標に注意しないといけないのか
- 経済指標の調べ方
- 注意すべき経済指標は何か
- 経済指標への対処方法
がわかりますので、ぜひ最後までご覧ください。
経済指標とは
経済指標とは、各国の政府や中央銀行が発表している経済に関する統計データのことで、決まった日時に発表されます。
なぜ経済指標に注意が必要かというと、指標発表の結果次第で相場が大きく変動することがあり、指標発表の有無を知らずにポジションを持っていると、思わぬ損失を出してしまう可能性があるためです。
また、指標発表により相場が大きく変動する理由ですが、指標発表の結果によりその国の経済状況がわかり、買いや売りの注文が一気に入るためになります。
なお、原則として指標発表があった国に関する通貨ペアが変動します。
例えば、アメリカの指標発表があれば、ドル円やユーロドルなどのドルストレートの通貨ペアが動き、イギリスの指標発表があれば、ポンドドルやポンド円などのポンド絡みの通貨ペアが動きます。
そのため、どの国の経済指標がいつ発表されるのか把握しておく必要があります。
経済指標の調べ方
いつどの経済指標があるのか調べる方法としては「経済指標カレンダー」を見るのが1番です。
経済指標カレンダーはいろんな証券会社などが公表していますが、正直どの経済指標カレンダーを見てもそこまで大きな差はありません。
ただ、僕は
- デザイン的に見やすい
- 重要度が5段階まで分かれている(他のサイトは大体3段階まで)
この2点を理由に、「みんかぶの経済指標カレンダー」を使っています。
☝みんかぶ経済指標カレンダー
みんかぶの経済指標カレンダーにはこちらから飛べます。
僕は毎朝必ず経済指標カレンダーを見て
その日発表される指標をチェックしています
注意すべき経済指標
経済指標にはいろいろな種類がありますが、FXをやるなら特に注意すべき重要な経済指標があります。
ここでは、その重要な経済指標について紹介していきます。
①米国雇用統計
経済指標の代表格で、1番注意すべき経済指標がこの「米国雇用統計」です。
アメリカの雇用情勢に関する統計データが発表されます。
この米国雇用統計が注目されている理由は、簡単にいうと次の2点です。
- アメリカが世界経済の中心である
- そのアメリカの雇用状況を見ることでアメリカの景気が分かる
米国雇用統計の発表時刻は、毎月第一金曜日(場合によっては第二金曜日)、午後9時30分(米国冬時間の場合は午後10時30分)に発表されます。
米国雇用統計の発表直後は、ドルストレートの通貨ペアを中心に相場が大きく動きやすいです。
②各国の政策金利発表
各国の中央銀行が決める政策金利発表があると、それに関連する通貨ペアが大きく動きやすいです。
政策金利はその国の経済に大きな影響を与えるため、注目される経済指標になっています。
主な政策金利発表と動きやすい通貨ペアは次の通りです。
- FOMC政策金利発表
⇒アメリカ中央銀行の政策金利発表
ドルストレートの通貨ペアを中心に相場が大きく動きやすい - 日銀金融政策決定会合
⇒日本銀行の政策金利発表
ドル円を中心に日本円絡みの通貨ペアが動きやすい - ECB政策金利発表
⇒欧州中央銀行の政策金利発表
ユーロ絡みの通貨ペアが大きく動きやすい - BOE政策金利発表
⇒英国(イギリス)中央銀行の政策金利発表
ポンド絡みの通貨ペアが大きく動きやすい
③各国のGDP(国内総生産)
各国のGDP(国内総生産)の発表があると、それに関する通貨ペアに大きな動きが出る可能性があります。
アメリカのGDPが発表されるとドルストレートの通貨ペアが、
欧州のGDPが発表されるとユーロ絡みの通貨ペアが動きやすいです。
このように、GDPの発表が控えている通貨ペアで取引をしようと考えている場合には、注意が必要です。
④経済指標カレンダーで★3以上のもの
先ほど経済指標カレンダーをご紹介しましたが、この中で重要度が★3以上になっている経済指標にも要注意です。
★3以上になっている経済指標はそれだけ注目されている指標で、発表後に相場が大きく動く可能性があります。
★3以上の指標発表がある通貨ペアでの取引をする場合には、注意していきましょう。
特にアメリカの指標発表が
21時~23時台に集中しているので要注意です
経済指標への対処方法
ここまで経済指標の概要や調べ方、注意すべき経済指標について解説してきました。
では、
経済指標に注意するとは具体的に何をすればいいのか
こちらを解説していきます。
まず前提として、
経済指標の結果を予測してトレードする
ということは一切しません。
いくら経済指標の結果を予測しても、正解は発表されるまで誰にもわからないですし、経済指標の結果によって相場がどう動くかは、動いてみないとわからないからです。
経済指標の対処方法としては、次の3つを行えば大丈夫です。
- 指標発表前にはポジションを持たない
- 指標発表後は相場が落ち着くまで様子見
- 指標発表には飛び乗らない
それぞれ解説していきます。
指標発表前にはポジションを持たない
指標発表直後には、相場の流れを無視した乱高下が起こることがあるため、指標発表前にはポジションを持たないようにしましょう。
目安としては、指標発表がある1~2時間前にはエントリーを控えるようにしましょう。
また、もし既に持っているポジションがあった場合は、指標発表前までに決済しておきましょう。
指標発表後は相場が落ち着くまで様子見
指標発表により相場が大きく変動した場合は、相場が落ち着くまではエントリーを控えるようにしましょう。
指標発表による急変動の場合は、大きな上ひげや下ひげを付けたり、大陽線や大陰線が入り乱れたりします。
様子見は、そういった動きがなくなるまでが目安になります。
もし、
相場が落ち着いたかいまいち分からない・・・
と迷う場合は、その通貨ペアのトレードは控えた方が無難です。
指標発表には飛び乗らない
重要な指標発表があると一気に相場が乱高下するので、
これに飛び乗れば一気に稼げるかも!
と考えて、指標発表に飛び乗ろうとするトレーダーがいますが、これはFX初心者がやりがちな失敗事例です。
確かに、運が良ければ一気に稼げる可能性もありますが、その分一気に資金を溶かすリスクもあります。
こうしたギャンブルに近いトレードをしていては、いつまで経ってもFXで安定的に稼いでいくのは難しいので、
指標発表には絶対に飛び乗らないようにしましょう。
【補足】手法によっては指標発表を気にしなくてもいい
ここまで「指標発表には注意する」といったお話をしてきましたが、手法によっては指標発表を気にしなくてもいい場合があります。
例えば、4時間足や日足をトレードする時間足(トレード足)にしているスイングトレードなど、長い時間足を使ってトレードする手法の場合だと、指標発表を気にしなくてもいいケースがあります。
これは、指標発表による一時的な急変動も、大きな時間足でみれば大した変動にならないからです。
僕はこれまでいろいろな時間足でトレードしてきましたが、指標発表を気にした方がいいトレード足と、気にしなくてもいいトレード足には、ある程度目安があります。
それは次のトレード足です。
- 指標発表を気にした方がいいトレード足
⇒15分以下の時間足(15分足、5分足、1分足) - 指標発表を気にしなくてもいいトレード足
⇒1時間以上の時間足(1時間足、4時間足、日足)
あくまで目安になりますので、ご自身が使う手法は指標発表を気にした方がいいか、過去検証する際に確認した方が確実です。
まとめ
FXの経済指標について解説してきました。
それでは、最後におさらいをします。
- 経済指標とは各国の政府や中央銀行が発表している経済に関する統計データのこと
- いつどの経済指標があるかは経済指標カレンダーでチェックする
- 特に注意すべき経済指標は次の通り
①米国雇用統計
②各国の政策金利発表
③各国のGDP
④経済指標カレンダーで★3以上のもの - 経済指標への対処方法は次の3つ
①指標発表前にはポジションを持たない
②指標発表後は相場が落ち着くまで様子見
③指標発表には飛び乗らない - 手法によっては指標発表を気にしなくてもいい
経済指標に関しては、今回記載した内容を実践するだけで十分です。
ぜひ今回の記事を参考に、ご自身のトレードに役立てていただけると嬉しいです。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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